中国河南省での日々

2年間の中国河南省の大学勤務や生活の記録を残します

突然の転居

このことは書いておこう。この約一か月はこの地では行楽に最高の時期なのに別の忙しさで振り回された。
9月下旬のある日、急に5日後に転居するので荷物をまとめておくように、と大学から通知が来た。5日後?5週間後の間違いではと、確認したが5日後だという。それに転居する話なんて聞いてないし。
夏休み前に大学側が今の生活上の不満点を聞くというので、今のアパートや電気製品等のいろんな不具合点の修理をお願いしたら、新築物件への転居をすすめられた。
今の宿舎のある町は古くて、市場の近くに位置し露店や安い食べ物屋も多く、道端で散髪してたり、夕方になると路上では爺たちがする路上マージャンやすごろくのようなゲームに人が群がっており、また野良犬や野良猫もたくさんいて見てて飽きない。まあそれなりの風景にも驚かずなじんできている、それにあと半年しかいないのに今さら荷物をまとめて引っ越すことの面倒くささを考えたら、とてもその気になれず、多少の不具合は我慢するすると話したら、それもそうだねと、相手は了承したかに見えた。ところがである。
9月も半ばになり、又、引っ越さないかと打診があり、私は引っ越す気がないのでこのままでいい、というと、いや今度の新築物件はきっと気に入る、とか、学校に隣接しており歩いて行けるとかいろいろ言われたが、その話は断ると言ったら、なんと9月末でこの建物は人手に渡るので引っ越しはマストだというではないか。なぜそれを先に言わない.それからが忙しい。引っ越し人夫とトラックは用意するので。パッキング資材は自分で用意して詰めておけという。
1人分なので段ボール5箱くらいかなと予想したら、結局全部でスーツケース大2、小1、布団袋1、段ボールは10箱以上にもなった。台所用品(鍋釜食器、調味料)や文具(書籍)等結構な荷物である。
バタバタとに荷作りして引っ越した先は20階建ての高層ビルの1階、以前の部屋よりリビングが広くて18畳くらいあり、その分、台所と寝室が狭い。トイレ、シャワーの仕切りもなく、もちろん浴槽もない。いろいろと注文はあるがまあ新築物件なので気持ちは悪くはない。

写真→
最大の難点は引っ越して3週間たつのにまだテレビ、電話、Wi-Fiが通じない。特にWi-Fiが通じないということはVPNが使えない。すなわちGoogle、yahooなどのほとんどの検索サイト、U-Tube、FBやLINEも使えなくなる。日本のラジオ放送やニュースも聞けない。辞書類やネットの翻訳ソフトもだめ。完全に情報やコミュニケーションから隔絶された感覚になる。
新築なのに細かい施工の粗さも目立つ。外部ドアは開けた瞬間に開き止めが破損して落ちてきたり、ドリルで壁に穴をあけた後の壁の建材の粉は巻き散らかされたままだし、新しい家の中に入ってみると、居間も寝室も作業者のタバコの吸い殻や灰だらけ、トイレはペンキを塗った後の空き缶がそのまま置きっぱなし、また、トイレも勝手に使って流してない!などよくもまあ彼らはお行儀のよいことと感心する。
この先もありとあらゆる困難が待ち受けているのだがそれは後日紹介する。10月10日

長い夏休みが終わった。

3ヶ月以上、このプログ更新をサボってしまった!

書くことがなかったのではなく、その逆。

7月、8月は一時帰国して日本で忙しく日々を過ごした。会社の同期会への参加、日本語学校の講師、南アルプスの山小屋でのバイト、長男の結婚相手の中国の実家訪問、福岡帰省と昔の親友との再会、新しい仕事情報収集のためいろんな人と会った。家族とともに地元の花火大会も良かった。

観た映画は2本「キングダム」「天気の子」。休み明けの授業でも学生に紹介したが、新海誠のアニメ「天気の子」はいい映画だった。雲や太陽光の美しさ。新宿近辺の描写の細かさ。異常気象当たり前ということからつながるメッセージ。声優もいい。

 

有給で2ヶ月たっぷりの休みがあるという仕事はなかなかない。給料もこちらで1人で生活する分には悪くない。でも日本での家族との生活を考えると…。今の倍あれば文句はないのだが。笑

 

カラカラ天気と硬い水のこと

こちらの気候と水について書く。

今日は5月22日、今は午前8時過ぎ。外気温は25度 今日の最高気温は37度までなる。こう書くと5月で37度(明日は40度)とは耐えられない!となるが、実はそうでもない。今の湿度はわずか13%。この湿度の低さが特徴である。ここ安陽の地はほとんど雨が降らない。一年では7月が最も降雨があるようだけど、夏休みなので体験しなくてすむ。雨の日はバイクで行けないからタクシーにのる(大学までは3キロ8元130円)それも1年に数回しかない。冬の間は空気が白濁してPM2.5数値が危険領域(80㎍/㎥)までいくことも普通だけど、5月以降夏のジメジメがないのはほんとに快適。ホノルルで貿易風に吹かれているよう、とまではいわないが、少なくとも日本の不快度とは段違い。木陰に入ると気持ちがいい(下水の臭気さえ気にしなければ)。汗をかかない。洗濯物も速乾。料理や果物はラップをかけ忘れるとすぐにパリパリになる。チャーハンがパラパラなのは火力や腕前のせいだけではない。但し大陸性気候なので極端。今日の気温日較差は17度と通常1日20度近くの温度差があるので、服装とかは面倒。日本は四季がはっきりしているとよく言われるが、ここは緩やかに季節は移り変わらない。春と秋が極端に短く(どちらも1ケ月もない感じ)、ある日突然、猛烈な暑さや寒さがドカーンとやってくる。日本のラジオニュースで、今日は気温差が10度以上にもなりますので体調を壊されないよう十分お気を付けください。とか聞いて、日本は穏やかな国だとつくづく思う。

それと水。ここはヨーロッパと同じ硬水。洗面所や流しにはザラザラ感がある。結石しやすい体質の人は要注意らしい。硬水はその名の通り、混ざらない、料理も煮物とか味がまず沁みない。材料となじまない。個がはっきりしている。水の性質は人の性格形成にも大きく影響しているのは間違いない。尾籠な話で恐縮だが、この国の公衆トイレの個室には時々見事な作品が残されていてギョッとするが、あれも硬水の為せる技だと気づいた。排水量が弱いのも一因だが、どっしりした重量感あふれるものが出るのである。私も最初はトイレで驚いた。流れてくれないことも一度ではない。

カラカラで硬いのとジメジメで柔らかいのと。どっちもどっちかな。

5月の労働節連休

日本は10連休や改元のニュースで賑わっているが、こちらは連休といっても4日間。それも前後の日曜は大学の振替授業があり出勤となる。なんだか騙されたようなあまり嬉しくない連休。それでも学生たちは寮生活からしばし解放されて、実家に嬉々として帰省する。私はといえばなにも予定がない。授業準備の合間に本を読んだり、近所の普段歩かない道を散歩してみたりしながらのんびり過ごしている。

恩師のメルマガに「連休を知的に過ごす」というのがあり、学生たちにはこの言葉を使って報告しようと。笑。でも夜になるとさすがに寂しくなり、昨夜は、帰省してない数少ない3人の学生たちに声をかけて、一緒に鍋を食べに行くことになった。

4人で食べた重慶火鍋がこれ。

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こちらの辛さにもかなり慣れてきて、辛いのも平気になった、と大見得を切って食べ始めたが、本場の辛さはドカンと刺激がくる。汗を拭きながら、でも美味しくいただいた。この写真を見てるだけでも結構汗が出てきそうな感じがする?

ちなみにお勘定はビールを飲んで〆に麺を頼んでお腹いっぱいで4人で計200元程度。(3200円)

満足!

満開の桜のキャンパス

3月24日の日曜日。大学の桜が満開となった。

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去年、来たばかりのころ、副学院長と食事をした際に「春に桜がないのは日本人にとってさびしい」と私が話したことが効いた。

そして今年、この感動的な満開の桜!

と自分勝手に解釈してます (笑)

去年の春は迎春花(レンギョウ)と梅、桃しか目立たなかったのに、それ以降、相当数の桜が植えられたらしい。なかなか立派な桜並木ができあがった。

(一気に進めるのがこちら流)

気温も20℃を超えた午後、そこで学生たちと一緒にうららかな春を満喫できた。

 

去年の今頃は春を感じる暇もなく夏が突然やってきたような気がしたが、今年は季節の移ろいをしっかり感じる余裕もできてきた。

 

しかし満開の桜は三日ともたず葉桜に。昨日の最高気温は25度を超え汗ばむほど。

心の余裕などお構いなしに、強烈な夏がすぐそこまできている。

(ちなみに3月26日の最高気温は28度、

    来週末3月31日の予報は最低気温3度!)

映画を観に行く「夏目友人帳 うつせみに結ぶ」

昨日の日曜日、学生数人に誘われて大学そばの映画館に日本のアニメ映画を観に行った。

映画館自体は日本のシネコンと同様な感じの作り。事前にネットで座席指定して決済もできる。当日、自販機で切符を受け取る。内部も普通に綺麗で椅子の触り心地もいい。

映画は中国語字幕なので、会話フレーズの勉強にもなる。

この映画は数日前に封切られたばかりの話題の映画で、以前、大学の自由会話でこのアニメを紹介した学生がいたので、少し予備知識があり、わかりやすかった。評判通りいい映画だった。

以下、ランダムに感想を書く。

終始、日本の田舎の懐かしい風景が広がる。加えて

現代の田舎の日本家屋や家の中の風物の丁寧で細かい描写。見ていて夏休みに故郷で夏休みを過ごした感覚だつた。

高校時代のクラスの様子や短時間でいなくなった母子家庭の転校生…。同じようなこともあったなあと思い出した。

山や川、緑の木々や草花の美しさや、心優しい人々、それに彼らが話すゆっくりとした日本語の優しい響き。

そして驚いたことに記憶や人生をも司る神様に近い妖怪の存在、そこには邪悪なものは存在しない。

映画を見終わって。穏やかな気持ちになれる映画。

 

館内で日本と違う、と感じた様子は、
上映中も携帯をいじるお客が多いこと。メールだけでなく、平気で画面動画や静止画を撮影している。開始前の予告編がない。終了後エンドロールが流れる前に出口が開き、皆ぞろぞろ退場する。余韻を楽しむ人は皆無。

といったところだが。これくらいであっと驚くような想定外はほとんどない

中国での映画初体験だった。

 

冬休みの一時帰国

1月の第2週で大学の講義は前期が終了し、約1月半の冬休み。その間、日本語学校で14日授業をやり、合間に学生時代や会社時代の仲間、地域の友人、

日本語学校の先生たちとの飲み会等がぎっしり。

車の買い替や確定申告、それに加えて、予期しない長男の結婚話やペットの突然の死去などもあり、

バタバタしどおし。

降雪や最終週のインフル罹患等で、約束も果たしきれず、とても申し訳なかったです。

 

こちらに戻ると、一年前の同時期にこの地に訪れた時とはずいぶん心のありようが異なっていることに気づく。

空気は白濁していてもショックは感じないし、むしろ、昼間の陽ざしに春を感じる余裕もある。

⋯住めば都、を実感する。

当地の日本料理店の女将は先月のアドバイスを受け入れて、店内をいい感じに改装しているし、お土産もとても喜んでくれた。

さて、大学はあと一年。その後、やりたいことを実現するために、今年は少しづつ足固めをしていきたい、と思う。